其の五
時々であるが、我輩のまわりに鰹節のようなものがまとわりつく時がある。
これは実は鰹節などではなく我輩の皮膚なのだが、これが非常に邪魔くさい。
顔のまわりの皮膚は目にかぶさるので特に邪魔である。
そして汚らしい。
あまり美しい姿とは言えないので人目にさらすのは気が引ける。
下のへたくそな絵を見て想像しておくにとどめておいて頂きたい。

しかし、これは決してエルビス・プレスリーを真似ているわけではなく
脱皮という成長のための作業なのである。
この脱皮を繰り返して我輩達亀は大きくなっていくのだから
喜ぶべき脱皮なのだが、どうも汚らしいのでなるべく脱皮の時には
人目にさらされたくない。
などと思っていたら、チビが我輩の棲み家に戻ってきた。
また一緒に暮らすことになったらしい。
チビはとても元気になっていた。
飯の時には我輩の隙をついて餌をかすめ取る度胸まで身につけていた。
あなどれん。
しかし、気をつけねば。
また怖がらせてはいけない、チビの前では大口を開けてがっつかないようにしよう。
夜寝る時、少し寒くなってきたのでチビの存在は少し助かる。
今夜は並んで眠ろう。
其の六
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